しかた記事 ルール

手作り石けんは売れる?ハンドメイドでよくある『実は許可が要る』もの

目次
  1. 手作り石けんは、なぜ売れないの?
  2. 許可を取るには、どのくらいかかる?
  3. それでも石けんを売りたいときは、どんな道がある?
  4. 石けんのほかに「実は許可が要る」ものは?
  5. 作り始める前に、何を確かめればいい?
  6. 事務局がやってみた
  7. この記事に出てくるひと

この記事のポイント
体を洗うための手作り石けんは、許可がなければ売れません。手作りでも、量が少なくても、法律の上では「化粧品」です。売るには「化粧品製造業」と「化粧品製造販売業」の2つの許可が要り、無料で配る(プレゼントする)のも規制の対象です。台所用・洗濯用の石けんは、薬機法の化粧品の規制の外ですが、別の法律で表示のルールがあります。石けんのほかにも、自分で作って使うだけなら問題にならないのに、売ったり人に譲ったりすると手続きが必要になるものがあります。

この記事は、都道府県の薬務課(薬のルールを担当する課)や国の機関の公開資料をもとに調べた内容です(2026年10月23日時点)。販路の選び方や特商法の表記は、手作りの作品をネットで売るときの注意点にまとめています。

手作り石けんは、なぜ売れないの?

手や顔、体を洗う石けんは、「医薬品医療機器等法」(薬機法。薬や化粧品の安全を守る法律)では化粧品にあたります。手作りかどうかは関係ありません。

県の案内を読むと、ここがかなりはっきり書かれています。

  • 許可を受けずに作った石けんを、ほかの人に販売・授与(プレゼント)することは禁止。少量でも対象になる(三重県薬務課)
  • ネットやバザーで売る場合も同じ(神奈川県薬務課)
  • 「雑貨」と書いて売っても、手や体をきれいにするためのものなら化粧品にあたる(佐賀県の案内(PDF))【要目視確認:発行元の表記】

規制の外なのは、自分で作って自分で使う場合だけです(三重県)。家族や友人に1個あげるのも「授与」にあたる、というのが、自分で使う場合との大きな違いです。

「雑貨扱いなら大丈夫」「少しだけなら大丈夫」「あげるだけなら大丈夫」は、どれも県の案内では否定されています。

ハンドメイドのマーケットで石けんを見かけることがありますが、許可を持った人が作っている場合もあるので、「売っている人がいる=許可なしでいい」ではありません。

【要確認:「AIに聞いたらこう言われた→実際は違った」の話があれば入れたい。例:AIに「雑貨として売れば大丈夫」と言われた、など。体験がなければこの段落は削除】

許可を取るには、どのくらいかかる?

自分で許可を取る道もあります。ただ、調べてみると、思っていたより重いです。

許可主な条件申請手数料(岡山県の例)
化粧品製造販売業(製品に責任を持つ立場)総括製造販売責任者を置く(薬剤師、薬学・化学の専門課程を修了した人など)。品質管理・安全管理のルール(GQP・GVP)に沿った体制65,600円
化粧品製造業・一般区分(実際に作る場所)製造所ごとに責任技術者を置く。製造所が国の設備の基準(薬局等構造設備規則)に合っている44,500円
出典:岡山県 医薬安全課「化粧品を製造・製造販売される方へ」、三重県薬務課。手数料は都道府県で違います。製造業には包装・表示・保管だけを行う区分もあります

申請の手数料だけで合わせて約11万円。これは申請の手数料だけの金額で、ほかに、資格の条件を満たす人を責任者として確保すること、基準に合う作業場所、品質管理・安全管理の体制づくりが要ります。さらに、売る石けんには薬機法で決められた表示も必要です。

費用対効果で見ると、石けんを数個売ってみたい、という段階で自分で許可を取るのは、まず割に合いません。石けん作りを本業にする覚悟があって、はじめて検討する道だと思います。【要確認:感想。この言い切りでよいか、Futaさんの言葉で】

それでも石けんを売りたいときは、どんな道がある?

調べた範囲で、現実的な道を並べてみました。

道許可向いている人気をつけること
自分で2つの許可を取る自分で取る石けんを本業にしたい人上の表のとおり、責任者・設備・手数料がかかる
許可を持つ会社に作ってもらい、その会社の製品として仕入れて売る売るだけなら不要(小売)自分のレシピや香りの石けんを売りたい人最低ロットや費用は会社による【要確認】。製品の責任者(製造販売元)は自分ではなくその会社
台所用・洗濯用の石けんとして作って売る薬機法の許可は不要体用にこだわらない人家庭用品品質表示法の表示が要る(品名・成分・表示者名など)。体用として売る・使わせると化粧品の話に戻る

2つ目の道について:和歌山県の化粧品ハンドブックでは、「他社が製造販売した化粧品を購入して販売する」のは小売で、許可は要らないとされています。反対に、製造を他社に頼んでも自分が製造販売元になるなら、製造販売業の許可が要ります(和歌山県薬務課「化粧品ハンドブック」第4版(PDF))。「製造を頼めば許可は要らない」という意味ではないので、頼む前に次の3つを確かめておくと安心です。

  • 頼む会社が、化粧品の製造業と製造販売業の許可を持っているか
  • その会社が製造販売元として製品を出す契約になっているか
  • 自分は販売の名義や表示、品質管理にどこまで関わるのか

最終的な契約の形と責任の分け方は、頼む会社と都道府県の薬務課に確かめてください。【要目視確認】

3つ目の道について:台所用・洗濯用の石けんの表示項目は、消費者庁「洗濯用又は台所用の石けん」にまとまっています。品名は「台所用石けん」「洗濯用石けん」など決められた名前を使います。

【要確認:石けん教室・ワークショップ(参加者が自分で作って持ち帰る形)を入れるか。公的な資料では見つけられなかったので、入れるなら県の薬務課に問い合わせてから】

石けんのほかに「実は許可が要る」ものは?

ハンドメイドで作られやすいもののうち、売る(ものによってはあげる)ときに許可や届出が要るものをまとめました。表は入口の目安です。同じ品目でも、用途や作り方、売り方で扱いが変わるので、最後はそれぞれの窓口で確かめてください。

作るもの何が要るどこに聞く出典
リップクリーム、練り香水、バスボム(入浴剤)、肌に使うアロマオイルなど用途や製品の性質によっては化粧品にあたる(医薬部外品や雑貨になる場合もある)。化粧品なら石けんと同じ2つの許可都道府県の薬務課和歌山県 化粧品ハンドブック(口紅、浴用化粧料、香水類が化粧品の例)【要目視確認:品目ごとの書き方】
自家製の梅酒・果実酒家庭で梅酒を漬けられるのは、自分で飲むためで、アルコール分20度以上・酒税課税済みのお酒を使う、などの条件つきの例外。売ることはできない。自分で飲むために作ったものを無料でふるまう・贈るのは問題ない、と国税庁は案内している税務署国税庁 自家醸造Q&A
ジャム、お菓子、漬物などの食品食品の種類や作り方・売り方によって、営業許可が要るもの、営業届出が要るもの、どちらも要らないものに分かれる(漬物は営業許可)保健所厚生労働省「営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報」、愛知県「営業許可・営業届出制度の見直し」
犬・猫のおやつペットフード安全法の対象になる犬・猫用のペットフードを製造する事業者は、事前に届出。成分規格・表示のルールもある。作るものがペットフードにあたるか、自分が製造業者にあたるかは窓口で確認地方農政局環境省 ペットフード安全法の概要、届出の手続き
コンセントにつなぐランプなど、電気を使うもの電気用品安全法の対象品目(政令で決まっている)にあたる場合、製造する事業者として届出(事業開始から30日以内)、技術基準への適合、検査、PSEマークの表示。コンセントにつなぐものが全部対象ではなく、PSEマーク付きの部品を使えば完成品も大丈夫、というわけでもない【要目視確認】経済産業局経済産業省 電気用品安全法の手続き、近畿経済産業局「電気用品安全法 実務のポイント」(PDF)
古着・古道具などを買い取ってリメイクしたもの古物商の許可(買い取った古物を修理して売る場合も対象)。自分で使っていた物、無料でもらった物を売るのは不要の例として挙げられている。ただし取引の実態で判断されるので、迷ったら警察署へ警察署熊本県警「古物商許可申請手続き」

漬物などの食品は、別の記事で詳しく取り上げる予定です。【要確認:記事リンク】

まず注意したいのは、口に入るもの、肌につけるもの、電気を使うものの3つです。どれも、事故が起きたときに危ないものです。ただ、これ以外にも許可や届出が要る分野はあり、3つに入るものが全部同じように規制されているわけでもありません。【要確認:感想】

作り始める前に、何を確かめればいい?

  1. 使い道を決める:体に使うのか、台所や洗濯に使うのか、飾るだけなのか。同じ石けんでも、使い道で決まりが変わります。
  2. 上の表に当てはまらないか見る:肌・口・電気・中古品が絡むなら、要注意です。
  3. 作り始める前に担当の窓口に聞く:化粧品は都道府県の薬務課、食品は保健所、お酒は税務署。作ってから「売れない」とわかるのが一番もったいないです。
  4. 売れるとわかったら、販路と表記を準備する:手作りの作品をネットで売るときの注意点へ。

相談先

  • 石けん・化粧品:お住まいの都道府県の薬務課(県によって課の名前が違います。例:神奈川県 薬務課、岡山県 医薬安全課)
  • 食品:お住まいの地域の保健所
  • お酒:最寄りの税務署
  • 犬・猫のおやつ:地方農政局
  • 電気を使うもの:経済産業局
  • 中古品の買い取り:営業所を管轄する警察署

事務局がやってみた

【要確認:Futaさんの体験があれば。例:石けんやアロマ雑貨を売ろうと考えたことがあるか/工房の品で許可が気になったものがあるか(木の香りのもの、電気を使うもの、古材など)/県の窓口に問い合わせたことがあるか。体験がなければこの見出しごと削除】

この記事に出てくるひと

なし(調べてみた記事のため)